人生を生き抜く力の土台を育む。子どもと親の笑顔を増やす児童発達支援の現場
「うちの子、少し言葉が遅いかも」「集団生活に違和感があるみたい」…。そんな困り感を抱えている未就学児と保護者をサポートする場所、それが児童発達支援です。今回は、福山市御幸町にある『児童発達支援 夢門塾御幸』を取材。保育士歴10年のキャリアを持ち、管理者・児童発達支援管理責任者を務める藤井沙織先生に、支援内容や子どもたちに対する思いをお聞きしました。
児童発達支援から就労支援まで切れ目なくサポート
児童発達支援は、通所受給者証を持つ3〜6歳の未就学児を対象とした福祉サービスです。キャレオスがこの事業を行っているのは、「未就学の時期から支援を始めることで、その先の人生が生きやすくなる」という考えがあるからです。児童発達支援から放課後等デイサービス、そして就労支援へと、子どもの成長を一貫してサポートできる体制を整えています。
「自分で選ぶこと」から始まる夢門塾御幸での活動
『児童発達支援 夢門塾』は福山市御幸町と兵庫県相生市の2カ所にあり、子どもの発達に合わせて「運動・遊び」「学習」「生活」という3つのカリキュラムを組み合わせた支援を行っています。今回取材した夢門塾御幸では、保育園と並行して週1〜2日利用する方が多く、入所のタイミングも人それぞれだといいます。
夢門塾の理念は「人生を生き抜く力を育てる」。藤井先生は「日常生活や社会生活を送る上で自分の力を信じて挑戦していけるように、体・手先の使い方やコミュニケーション、小集団での行動など、さまざまな力を伸ばしていく場所です。遊びのなかで自然と身につけられるよう、お子様一人ひとりの興味関心を広げていくことを職員一同大切にしています」と話します。
夢門塾御幸の特徴は、多彩な環境にあります。2階には秘密基地のような部屋や課題に取り組むための部屋、3階には運動ができる部屋や感覚統合室があり、はじまりの会では子ども自身が「ここでやりたい」と部屋を決めることからスタートします。
自分が心地よいと感じる空間で過ごすことで安心感が生まれ、スムーズに活動に入っていくことができます。「その子が好きなキャラクターや以前に作った絵や工作を飾り、居心地のよい環境づくりを行っています」。
「運動」をツールに、体の使い方と集中力を身につける
夢門塾御幸の特徴は、「運動」をツールとした支援です。広いスペースに遊具や運動器具が充実している感覚統合室は、子どもたちに大人気。「未就学児のお子様たちは体を動かすことが大好きなので、いつも『運動室(感覚統合室)に行きたい!』と楽しみにしてくれているんですよ。職員もトランポリンで一緒に飛んだり、タッチや声かけをしたりすることで信頼関係を築いています」。
しっかり体を動かして心身をリフレッシュさせると気持ちも切り替えやすく、その後の課題にも落ち着いて取り組めるようになるといいます。跳び箱、縄跳びといった粗大運動だけでなく、ブランコの綱を握る、ボールを箱に入れるといった動作を通じて、握力アップや手先の使い方も育める微細運動も行っています。また、口まわりの運動機能の発達を促す運動あそびを取り入れることもあります。
課題の内容は運動・遊び支援だけでなく、ひらがなや数の基礎(学習支援)、個人や小集団でのコミュニケーション、食事や排泄の訓練(生活支援)など多岐にわたります。課題に対して苦手意識があるのは当たり前のこと。だからこそ、夢門塾御幸では決して強制しません。保護者の意向に寄り添いつつも、子どもの「やりたい」という気持ちをもっとも大切にしているのです。カードや塗り絵などを活用し、楽しみながら自然と苦手な課題に取り組める工夫も凝らしています。
寄り添う支援で子どもの思いを満たす
現在、職員は4名。全員が保育士資格を有しています。ローテーション体制で職員が子どもたちとまんべんなく関わり、「その子が今、何に興味があるか」を全員で共有しています。多様な視点から子どもに向き合うことで、支援方法の可能性が広がっていくといいます。
「常に心がけているのは、子どもの思いに耳を傾け、ありのままを受け止めること」と藤井先生。「気持ちの切り替えがうまくできないときはまず、その子の思いを聞くようにしています。活動ではタイマーを使うこともありますが、思いが満たされていなければ時間制限を設けず、本人の気持ちに合わせて柔軟に対応します。お子様の心に寄り添った行動を積み重ねることで、笑顔で過ごせる環境をつくっています」。









